求ム!美術館で発見と交流をはぐくむ人たち [365日オープンまるびぃ その3]
金沢21世紀美術館では開かれた美術館を目指して様々な事業を行なっています。そんなまるびぃ(金沢21世紀美術館の愛称)をオープンにしていく取り組みを紹介し今後を考えるこのシリーズ、今回は「美術館で発見と交流をはぐくもう!」と呼びかけている「まるびぃ みらいカフェ」についてご紹介します。担当は金沢21世紀美術館交流課の森です。
「まるびぃ みらいカフェ」メンバー募集します
このnoteでご紹介する「まるびぃ みらいカフェ」ではこの春に2021年度のメンバーを募集します。
下の2つにぴん!ときた方、ぜひこのnoteを読んでいただければ嬉しいです。
美術館が「なにかと出会う場」「まちや人との交流を生みだす場」「変化や挑戦が起きる場」になっていくのに関わりたい
美術館で起きることを楽しんで、それを他の人ともわかちあえるように考えたり工夫していきたい
説明会を4/23(金)19:00〜20:00と4/24(土)13:30〜14:30に行います。
興味を持ってくださった方は、下記URLを参考に説明会への参加申し込みをしていただければ幸いです。
「まるびぃ みらいカフェ」って?
とはいえ、いきなり「まるびぃ みらいカフェ」と言われても想像できないですよね。美術館にあるレストランやカフェのこと?「哲学カフェ」のようなもの?いろいろ「?」がつきそうです。
パリではかつてカフェに芸術家が集まり議論を交わしていました。気軽に立ち寄れて、顔見知りがいて、フラットに会話をしてそれぞれの場所へと帰っていく。そこからアイディアやネットワークが生み出されていたのでしょう。それはたまたま「天才」が集まっていたのではなく、そうした日常の「場」が天才を作っていったのではとも言われています。(この辺りは飯田美樹さんの『カフェから時代は創られる』(2020)にまとまっています。おすすめです。)
「まるびぃ みらいカフェ」も美術館に気軽に立ち寄って、話したり一緒になにかするうちにアイディアやネットワークが広がっていくといいなと考えています。メンバーはメーリングリスト上でやりとりをしたり、美術館で集まって話したりプログラムに携わっています。と書いたものの、その年、その時のメンバーによっても様々です。
この活動は平たくいえば「ボランティア」なのですが、私たちは「みらいカフェメンバー」と呼んでいます。それはこのシリーズでも毎回のように紹介してる金沢21世紀美術館のミッションの1つ「まちに活き、市民とつくる、参画交流型の美術館」があるからです。「参画」という言葉を辞書で引くと「事業などの計画の相談に加わること」(新明解国語辞典第五版)とあるように、「参加」以上に関わって、一緒に作っていく意味があります。「ボランティア」という言葉には本来的には「自発的」という意味がありますが、日本では「決まったことをお手伝いをする」というイメージもあると感じています。まるびぃ みらいカフェでは「自発的に」「一緒にやっていく」方々でいてほしいので、「メンバー」と呼んでいます。
最近のまるびぃみらいカフェ
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか集まれない時期が続きました。年の後半に、展覧会「村上慧 移住を生活する」の関連企画として作家の村上さんと美術館にある猫の額ほどの小さな畑、「まるびぃみらい畑」で発酵熱を生み出す「踏み込み温床」を作ってみました。(この関連企画については後日メンバーによるレポートをこの金沢21世紀美術館交流課noteにアップする予定です!)
(撮影: 木奧恵三)
自分が感じたことを感想にしてメールをする。作家も驚くほどに「温床」について調べ、楽しみ、創意工夫をする。自分の得意なイラストや写真を生かす。メンバーの他の場所での活躍を見つけてみんなにお知らせする。それにインスピレーションを受けてアイディアを膨らませる。
色々なことがスムースには行かない2020年の世の中でしたし、「決められた形がない」みらいカフェは悪く言うと「行き当たりばったり」ななかで、上記にあげたようなメンバーのやりとりに私たちスタッフが鼓舞されることが多くありました。
実はここには書いていない課題もあります。でも、最近「まるびぃみらいカフェ」について、ある人に話したとき「うまくいかないことの方が面白いですよね」と言ってくれました。
そうして美術館を「実験の場」として楽しんでくれる方の輪が広がったら嬉しいです。
2021年度 まるびぃ みらいカフェ メンバー募集
説明会:4/23(金)19:00〜20:00 4/24(土)13:30〜14:30
要事前申し込み 詳細は上記webサイトをご参照ください
(金沢21世紀美術館 プログラム・コーディネーター 森 絵里花)
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