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雪の美術館写真散歩:どんな形、どんな色?

あなたは雪の日を楽しめる美術館といえばどこを思い浮かべますか?
私はこの金沢21世紀美術館も、なかなか雪の日に合うのではと思います。

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写真は2018年2月8日の金沢21世紀美術館の雪景色です。

この記事はキムラタケシが送る金沢21世紀美術館の写真散歩、今回は広場の雪景色の巻です。

雪に生まれる、かたちの世界

2021年1月上旬には雪景色となったこの美術館、1月9日朝は芝生の広場で35cmほどの積雪となりました。

まるびぃでは広場が雪野原になると、時おり雪だるまが生まれます。この朝も市役所に近い出入り口の外に、可愛い雪だるまが並んでいました。

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広場に生まれた雪だるまたち
(上:2021年1月9日撮影 下:1月15日撮影)

特にこの美術館は円形のガラス壁に囲まれた内側に廊下が通っているので、広場にいる人と廊下の人とがお互いによく見えます。そのことがより一層、雪だるまを作りたくなるきっかけになっているのでは…と思います。
私もこれまで廊下を歩いていて、雪の広場で親子や仲間同士で雪玉をゴロゴロ転がしている姿を見ることもありましたし、昨年末も初の雪化粧の日に「こんな薄い雪で、どうやってこんなに大きな雪玉を作ったんだ!?」と思うような雪だるまを見て驚いたこともあります。

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薄雪の中に出現した大きな雪だるま(ニワトリ?)(2020年12月16日撮影)

まるびぃの広場に雪の作品が生まれて、それを見た人の手と発想でまた新しい作品が作られていく…というのは、とても素敵な出来事だと感じます。みなさんがもし雪の日にまるびぃに訪れたとしたら、館内の作品鑑賞と合わせて広場で雪の作品作りを楽しむのもよい思い出になるかもしれません。

ただ、この記事を書く前に降った2021年1月9日〜11日にかけての大雪では一時は広場で50cmを超える積雪となり、融雪装置のない一部の通路では通り抜けるのも大変な状態になりました。雪の時期はくれぐれも足元にお気をつけてお越しください。

雪でもっと活き活き?  色の世界

さて雪の日の広場では、他にも私の気持ちがウズウズすることがあります。
それは「雪の降った後の晴れた朝一番」に見られる光景、広場の東側にあるオラファー・エリアソンの恒久展示作品《カラー・アクティヴィティ・ハウス》が雪の上に作り出す色の世界です。

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オラファー・エリアソン《カラー・アクティヴィティ・ハウス》

この作品は色付きの透明な壁で囲まれた空間が作られていて、その中を通り抜けると、透明な壁越しの外の景色が赤(マゼンダ)や青(シアン)に彩られて見えます。同時に地面にも、太陽の向きや日差しの強さで色の変化する影が映されます。地表が雪に覆われたときには、このカラフルな影がいっそう鮮やかに映えます。下に紹介する写真は、そうした雪の表面の様子を撮ったものです。

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雪の積もった翌朝に晴れるとは限らず、また美術館では訪れる方々と作品の安全のために降雪時には除雪も行っています。こうした作品の表情が見られるのは少ない時間にはなりますが、もしそんなときに居合わせられそうなら広場に立ち寄ってみてください。


(キムラタケシ/金沢21世紀美術館エデュケーター)

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